中学校の音楽授業と高校の音楽授業の違いってなんでしょうか?
中学も高校も音楽を教えていて気を付けている事とも言えます。
今回はそんなことを書いてみますね~。
スポンサーリンク
目次
中学校と高校の音楽授業は違う
まずこれって制度としてあります。
義務教育の中学校なのかそうではない高等学校の違いです。
義務教育ってまずみんなが必ず学ばなければならないものなんです。
音楽ももちろん体育や美術と同じように必ず学ぶべき科目なんですよね。
中学校学習指導要領音楽はこちら
音楽授業って実は文科省からの指示があるんです。
表現として
・歌唱
・器楽
・創作
鑑賞として
・鑑賞
などの項目にわかれていて、大きく、表現と鑑賞に分かれていて、こんなことを教えてあげてくださいね~、って決まっているんです。
もちろん、中学ではこんな事、高校ではこんな事って決まっているのですが、基本的にはこの4つの項目です。
要は、中学の場合は、
・音楽って表現方法がいろいろあるよ~!歌や器楽や作曲っていう表現方法があるんです。
・表現も大切だけど、音楽のどんなところを鑑賞してみる?実は鑑賞にもポイントがあるんだよ!
音楽って深いね!
ざっくりこんな感じです。
高校音楽Ⅰでは
高等学校学習指導要領音楽はこちら
こんな感じで、中学で学んだものに+αとして
・要はずっと大人になっても音楽を好きでいてね!
・世界の音楽や日本の音楽の文化って素晴らしいね!深くいろいろ知ってね!
そんな違いがあるんですが、実は高校では音楽ではなくて、
”芸術”
という教科のなかの”音楽””美術””書道”の3つの科目に別れるんです。
それって、義務教育でまずはみんな学んだ基礎基本をさらに専門的に発展させようか?
でもそこまでいくと、それぞれみんな得意不得意ってあるよね?
だから芸術科として3つに分けてみようか?
でも、どれかをしっかり学ばないと卒業認定はできないよ!
っていうのが高校の芸術科ですね。
実は音楽をしっかりと深く学ぼうと思うと、
・音楽理論
・和声学
・音楽史
などの筆記科目も出てきて、それって音楽を深く本当に楽しい領域まで知りたいと思った時には絶対に必要になってくる”共通言語”ぐらい大切な基礎基本がこんな筆記科目でもあるんです。
例えば、応用を効かせて、作曲ができるようになりたい!
って思った時には、必ず楽譜が読めなきゃ書けないし、もちろん音楽理論も、和声学も、音楽史も知らないと立派には書けないんです。
というか、書くには独学でも自然に勉強しちゃう感じですね。
本来、高校の音楽ってそんなちょっと専門的な領域に行ってみる?
でも、難しいからやり方間違っちゃうと音楽がつまんなくなっちゃうし、どうやって教えればいいかなぁ~、
なんて教える方も悩んでしまうような領域を含んでいるんです。
身体の変化
中学生って男の子ではまだ声変わりも終わっていないような生徒と、がっつり男声の声になってしまっている男の子が混在しています。
中学1年生くらいだと、クラスの男性の半分くらいがまだ女声で、半分が男声。
そんな変声期の男の子って、どうやって歌声を出せばよいのかわからないんです。
というのも、これまで美しい女声の声で自由自在に自信を持って歌っていた男の子が突然、声が低くなって、その変化に耳や身体がついていかなくて声をどちらで出せばよいのかわからなくなるんです。
だから、声変わりが終わりつつある男の子でも、わざと裏声を使って女声で歌いたがる男の子もいるくらい、その変化を受け入れられないこともあります。
高校生になると、声変わりは完全に終わっていてほぼ全員が男声になっております。
そんな男声で中学生より更に体格も大きくなるので、合唱では”bass”パートが追加されます。
中学での合唱は3部合唱の、ソプラノ、アルト、テノールですが、
高校では4部合唱の、ソプラノ、アルト、テノール、バスになりますよ。
心の変化
”自我の目覚め”
とも言いますね。
これとても大きなことです。
中学って、ちょっと反抗したり・・・
でもそれって、子ども扱いされていた時期から、落ち着きを持って自分自身の判断をする大人への過渡期の、成長の一環ですよね。
高校生って、あんまり反抗しないです。
というか、落ち着きがあるので理性的なんですよね。
だから子供っぽく単純ではないし、子ども扱いをしてはプライドが傷つくし・・・
そうかといって、全て大人のように社交性やモラルがあるかといったらそうでもないし。
でも高校生の特徴としては
”落ち着き”
”高校受験からの学び”
この2つってあると思います。
”経験からの社会モラルと共に落ち着いた自分自身の考え方を持つようになる”
これが高校生の自我の目覚めですね。
大人になるってとっても大切なことです。
先生や周囲の大人も、彼ら高校生をちゃんと大人扱いしなくては、逆に彼らの成長がなくなってしまいますよね。
音楽授業の内容
僕の場合、実際の授業内容として、例えば”合唱”であれば、
中1:元気に歌えるように→ハーモニーを感じてみよう!
中2:歌声の工夫をしてみよう→ハーモニーって美しいね。
中3:ちょっと高校生のような大人っぽさにチャレンジしよう→表現の幅を広げる。
高1:複雑な心情の表現→歌声も表現力も論理的に考えると共に、人間の複雑で繊細な心情や想いのある表現を育みたい。
合唱のカテゴリーでもその成長段階によって少しずつ難しくなるようにしています。
中1って無邪気で小学生みたいです。
だから基本的に元気に歌います。
でも歌声やハーモニーなど、美しいものを求める窶汳ョき方”がまだ知らないんです。
中2は時折、”中2病”な感じもあり素直には話を聞かなくなる場合もあり難しい学年ですね。でも成長段階としてそんな時期もとっても大切!
そんな中2に歌声の工夫を求めたくなります。
子供扱いしないで、まじめに難しいことを”君たちは出来る!”
って感じで大真面目に信頼して求めることが彼らへの敬意です。
中3は、最高学年として大人っぽいプライドが芽生えてくる学年です。
やっぱり合唱コンクールなどを行えば、一番上の先輩として、また中学最後のイベントとして、クラス合唱を大切にするかっこよさ、行事に対して真面目に取り組むことがカッコいいというプライドを感じて欲しいですね。
高1は、高校生になっちゃったけど、音楽ってどうなるの?
みたいな状況なので、がっちり難しいことへの目的意識を持たせることなんです。
魅力的な話や、尊敬に値する先生の技術などがなければならなく、彼らを適当に騙すことはできません。本物志向です。
でも高校生になると、社会的なモラルも成長してくるので、”社交辞令”も通用します。
「あーあの先生、いい人だけど、音楽はあんまり得意じゃないんだ=」
「でも、一生懸命頑張っているから、ま、いいか・・・」
みたいに上手に付き合ってくれます。
でも、彼らを真面目に技術や感性の向上をさせたい時には、本当に先生の高い音楽センスが必要になりますね。
スポンサーリンク
>まとめ
中学と高校の音楽の基本的なところは、
”中学の応用が高校”
になります。
大切なことは、生涯音楽を愛好してもらいたい!ってことなんです。
でも真面目に、というかつまんなく音楽の難しいところや理論なんかを教科書に沿って教えても、音楽が嫌いになってしまいます。
そうかといって、ただただ生徒を楽しませるだけの教養がない、歌唱授業だけを行っても、具体的な技術指導や知識の構築にはならないです。
最低限必要な、
・美しい歌声の出し方
・合唱の作り方
・楽譜が読めるように
・表現の工夫
・リコーダーやギターなどの楽器演奏やアンサンブル
・日本の伝統的な音楽への興味や教養
でもこれらの事って、本来
”楽しい!”
というような音楽内容ですよね。
だから
・いかに楽しく元気に学ぶ姿勢も育めるか?
・いかにわがままを言わないで前向きに努力できるようなモラルを育めるか?
などとても難しい課題があることも事実ですね。
それには教える先生が音楽を根っこから楽しんだり、演奏できたり、そもそも音楽や話で心をコントロールできるくらいの技量がないと、なかなか音楽授業って難しいです。
やっぱり大切な事は、
”音楽の先生自身がどれだけ音楽が好きで、子供が好きか?”
これが授業での
”伝える力”
につながります。
中学生と高校生では受け取り方や成長段階も違いますが共通していることは、先生の
”伝える力”
です。
生徒達が、授業が終わったあと、音楽室から出ていくときに、
「ふ~ん、ふ~ん(^^♪」
って学んだ曲を鼻歌で帰っていったときには、音楽の授業が大成功だったってことだと僕はいつも思っています。
そんなチャイムのあとの
”鼻歌”
それが、今日の授業が楽しく充実したか、どうか?
すべての答えなんです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
スポンサーリンク
おすすめ関連記事(一部広告も含みます。)
コメント