皆さんに質問!
合唱は何で出来ているでしょうか?
突然訳の分かんない質問ですが・・・これ、とても大切です。
答えは簡単、
歌詞
メロディー
ハーモニー
この3つです。
歌のソロなどの場合は、
ハーモニーは伴奏が演奏してくれます。
ところが、合唱の場合は伴奏だけではなく、合唱団もハーモニーを演奏します。
合唱はハーモニーを作り出せるアンサンブルなんですよね。
さて、そんなハーモニーってやっぱり美しく演奏したいですよね!
今回は、どうやってハーモニーを美しくするのか?
それについてお知らせしていきます。
⇒合唱の練習総まとめ!クラス合唱にも役立つ選曲から本番まで!
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目次
美しいハーモニーを作る合唱練習とは?
僕は学校で、音楽授業では主に合唱を、放課後には吹奏楽を教えております。
合唱も吹奏楽もハーモニーを作り出すアンサンブルなんです。
なので、とてもよく似ているところもあります!
ということで、さっそく行きますよ~。
美しいハーモニーを作る目的は?
そうなんです。これってとても大切なことですよね。
なんで、ハーモニーを美しく作るのか?そもそものところで、ハモれていない・・・ってことになかなか気が付かないものです。
ちょっと実験、
お友達2人で、同じ音程の声を出してみて下さい。
声を少しづつなじませて、全く同じ声になるように・・・
そうすると、ちょっとコツを見つけると、全く同じ声で、2人の声がうねらない状態が作れましたか?
一瞬でも同じ真っ直ぐな混じりのない声になった時って、ちょっと感動ですよね?
それで、同じ真っ直ぐな声を体験できると、そんな状態にず~っとしていたくなる。
不思議ですよね。
同じ声だと、すぐにできるのですが、1オクターブとか、ドとソとかドとファとか、そんな音程になると、
難しくなります。
でも、こうやって他の声同士でぴったり真っ直ぐに音が聞き合えると、本当に心地良いんですよ。
そうなんです。ハーモニーを整える目的は、
”心地良いから”
に尽きます。
でももっと音楽として広げていくと
・ハーモニーの明るい、暗い、悲しい、嬉しいなどの感情が表せるようになる
・そもそも、きちんとハーモニーが出来ていると、スッキリ聞こえる
・合唱の響きが大きく増える
・遠くまで合唱の声が届く
・合唱の響きが輝かしくなる
・合唱の響きが柔らかくなる
やはりハーモニーが美しくなると良い事ばっかりですね!
ハーモニーって何?
ハーモニーって音一つでは表せないものですよね。
2台のピアノを例えに使うのがとっても解りやすいのですが、
真ん中のドの音をピアノで弾き、もう一台でも全く同じ真ん中のドを弾きます。
そうすると、ハーモニーは出ないです。
当たり前です。
でも、音は2倍に増えるので、音が太りますよね。
ハーモニーを出すには、音程が違う、2つ以上の音がなければならないですよね。
2つの音でもハーモニーは出せるのですが、
実は3つの音を出す事の方がハーモニーとして強く主張できるのです。
例えば、ドミソ と ラドミ
楽譜①
これをピアノで弾いてみると、・・・・
なるほど・・・
なんですが、試しに、ドとミ、とか ドとソ
など、音を2つだけの場合と比べると、やっぱり3つの方が主張が強いんです。
実は音4つにこんな風にすると、更に強くなります。
楽譜②
ピアノで是非弾いてみて下さいね。
実際に聞いてみるとよく感じられます。
それからハーモニーって大きく分けて明るいハーモニー(和音)と暗いハーモニー(和音)があるんです。
楽譜①のドミソって明るいのですが、
それに比べて隣のラドミって暗くないですか?
そうなんです、音の使い方によってはハーモニーって明るくもなるし、暗くもなるんです。
これって凄いことだと思いませんか?
実は、合唱には歌詞があるので、悲しい歌詞の時には、暗い和音を使っていたり、
ちょっと悲しい歌詞なのに、明るい和音を使っていたり。
ハーモニーって歌詞の想いを手伝ってくれる大切な背景を作っているんです。
だからハーモニーを整えて、正しい響きを表現してあげると、歌詞が引き立ったり、どんな曲なのか解りやすくなったりしますね。
美しいハーモニーの作り方は?
そうなんです。理屈は解っても美しく整える方法って難しいですよね~。
合唱あるあるトークで、
ちょっと男子~~~、もっと声出して~~~・・・
声が汚いんだけど、もっと丁寧に出して~~~、男子~~~。
これよくあります。
実は、ハーモニーが整うと、声が良く響いて聞こえて、大きく聞こえたり、美しい声になったり、
そんな良い事があります。
なので、合唱も気合根性はとっても必要なのですが、響きを合わせるテクニックも大切なんです。
まず最初にやるべきことは次のコレになります。
①出ている声をよく聞きあう
これです。
要は、落ち着いて聴けているか?です。
この聴くという事なのですが、自分の声が聴いちゃあダメです。
普通にしていて自分の声が一番聞こえてくるので、周りの声のみを聴こうとして見て下さい。
そうすると、不思議と、声が溶け合ってきます。
あ~ら、不思議!
とくに何もしていないです。
あ~ら不思議
人間の体って、自然に動くもんなんです。
耳を澄ませて、一緒になろう、と思って寄り合うと、自然に合唱の声がまとまってきます。
次はそんな声を更に美しいハーモニーにする方法です。
②軟口蓋を上げるように気をつける
kissmusic.netから出典
軟口蓋って聞いたことありますか?
合唱や声楽を勉強されている方にはお馴染みの口の場所ですが、
舌で上あごを歯茎から順に上に奥に触れていくと、突然柔らかくなる部分ありますよね。
もっと奥に行くとノドチンコがあります。
そんな鼻と口の間のような柔らかい口蓋部分を軟口蓋と言います。
ここを上に上げるんです。
そうすると、口の容積が増えて、声が一層響くようになるんですね。
それで、ちょっと実験で、
鏡でご自分の口の中を見ながら、軟口蓋を上げてみませんか?
上げ方は”あくびの口”をしてみて下さい。
実際に”あくび”しても大丈夫です。
それを鏡で見ると
お~~~。
上に開きますよね。
なんかノドチンコあたりも、上に上がるような感じです。
扁桃腺の奥の喉までぽっかり見えますよね。
では、練習です。
普通の口(2秒)→あくびの口(5秒キープ)
出来ましたか?
次は、軟口蓋が上がった口で、声を出してみます。
鏡を見ながらやってみると良いですよ。
ア~~~~
出来ましたか?
軟口蓋を上げた状態でア~~~~~です。
大切な事は、よくありがちな合唱トークで、
”口を大きく開けなさい”
なんですが、
顎を下にとにかく開けても全然だめです。
軟口蓋が下がってしまって、声が落ちたダラシナイ声になってしましますからね。
この軟口蓋に響きを作る、発声で、ハーモニーを作ってみて下さい。
本当に整いやすいですよ!
③ハーモニーの入りと切りを合わせる
これもとても大切です。
せっかくのハーモニーを聞きあえて響き合っていても、一緒に声の出始めが揃わなければ、やはりバラけて不安定に聞こえてしまいます。
もちろん、ハーモニーの最後も美しく一緒に切る(声を丁寧におさめる)ことができると、とっても美しく、丁寧な合唱に聞こえますよ!
揃わないときは、ブレスを揃えることもやはり大切です。
実はこの音の出始めと収め方は、一人で練習している時も基本中の基本になります。
上手な方の演奏って必ず声の始まりが美しく、声の最後も美しいです。
ところが、よくある失敗は
・声が下がったところから上がる(掘っている声)
・出したい音程への身体の準備が出来ていない
・出したい音程を頭の中で準備が出来ていない
など歌声や合唱の丁寧さに欠ける時がよくあります。
やっぱり、ソロでもパートでも声の出始めと収め方は丁寧に揃うと、ハーモニーに美しい説得力が生まれます。
④ハーモニーの5度音程や8度音程(オクターブ)を先に整える
これちょっと難しい話です。
先ほどの楽譜①のドミソに上のドを加えた楽譜③を見てみて下さい。
楽譜③
音程って、音と音との距離のことなんですが、それを、○度という言い方をします。
例えば、ド~ソであれば、ド、レ、ミ、ファ、ソ の5つの音があるので5度です。
ド~ドであれば、8個の音があるので、8度ですね。一般的には8度のことは1オクターブって言いますけど。
それで、この8度とか5度って響きがとっても解りやすくて、また明るい、とか暗いとかの表情がない音程なんですね。
なので、純粋なというか、単調な響きとしてとても美しい
というとっても解りやすい音程なんです。
一番解りやすい音程は、1度です。
全く同じ音同士ってことですよね。
なので、この1度、5度、8度、などの音程を整えると、ハーモニーは一気に整い始めますよ!
①②③④のこれらを気を付けながら、ハーモニーを作ると、
先ほどの楽譜③のミの音(第3音)は自然に入るべき場所に溶け合うように入るようになりますよ。
まとめ
まずは美しいハーモニーの作り方の大切な基礎をお伝えしました。
本当は、実際の合唱の楽譜とかを一緒に見ながら、この音は和音の中での役割がこうだから・・・
などなど、応用の使い方も大切なのですが、まずは基礎が一番大切です。
ハーモニーを聴くことから始めて、軟口蓋の事、一緒に演奏する事、また和音の事
そんな順序で合唱のハーモニー作りをしてみると、美しいハーモニーが直ぐに見えてきますよ~。
合唱の凄味は、ハーモニーです。
素晴らしい歌詞を一層引き立てるのはハーモニーです。
そんな合唱のスッキリした響きをみんなで体験できたときには、鳥肌立ちますよ~~~。
ありがとうございました!
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