いよいよ年末ですね!
ここで質問!
年末といえばなんでしょうか??
あ~大変、年末調整!
今年こそ当たってくれ~~年末ジャンボ宝くじ!!
とにかくクリスマス!!!
ん~~・・・
やっぱりクラシック音楽が大好きな方であれば、
ベートーベンの第九
ですよね!
12月のクラシックコンサートで圧倒的に多い演目がこれなんです。
ところで、この第九って世界では日本だけが本当に圧倒的に異常なくらい多く演奏されているって知っていますか??
僕はドイツに音楽留学していたので
”本当に日本は第九の演奏が多いんだ~”
って感じました。
今回はそんな第九がなぜこんなにも年末で演奏されるのかをお知らせしますね!
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目次
ベートーベンの第九が年末に演奏される理由
とっても簡単に説明しますと・・・
戦後、日本のプロオーケストラもやっぱり貧しくてやっぱり集客力がある曲を年末に演奏すると、
”懐が温かくなった”
からなのです。
というのも実は戦後当時、新交響楽団(現在のNHK交響楽団)が大晦日に第九を生放送で演奏しておりました。
そんな頃に、群馬交響楽団が群馬での第九演奏会が大成功したことで、全国のオーケストラで年末に第九を演奏するようになったようなんです。
やっぱりどのオーケストラも貧しい戦後の時期には集客力のある演目はやっぱり大切です。
アマチュア合唱団と共に演奏するとそれだけでも合唱団の家族などもみんな演奏を見に来たりもしますよね!
多くのオーケストラで年末に集客力のある第九を行った事が更に広まり、日本では年末に第九を演奏することがとても多くなっているのです。
でも、きっとそれだけではなく第九には世界平和を願った”歓喜の歌”があり、人々を感動させるとてつもない力があるから、ここまで年末の第九が定着したのだと僕は思います。
youtubeより出典
で、まずはどれくらい年末に第九が多いのか・・・
という実際のところが気になりますよね!
12月は実際に第九がこんなに演奏されている
日本のプロオーケストラの12月の演奏会スケジュールを見ると、第九の演奏回数は、
NHK交響楽団が12月の全公演10回中
5回
になっております。
東京都交響楽団が12月の全公演6回中
3回
です。
日本フィルハーモニー交響楽団は12月の全公演12回中
なんと!
10回
です
それで、日本には25団体の日本オーケストラ連盟に加入している正会員プロオーケストラと9団体の準会員プロオーケストラがあります。
で、そのプロオーケストラのほとんどが、やはり年末には第九を演奏しております。
また、その時だけ結成されて演奏するプロオーケストラや、アマチュアのオーケストラ団体でも第九を演奏したりと、やっぱり年末には日本各地で第九が演奏されているんですね。
ところで、海外ではどうなんでしょうか?
例えばベートーベンが生まれたドイツでは??
気になりますよね!
ベートーベンが生まれたドイツでは実際どうなの?
先ほどは日本の首都、東京のプロオーケストラの第九状況をお知らせしましたので、
今度は、ドイツの首都、ベルリンのオーケストラの第九状況をお知らせしますね!
ベルリンの世界的なオーケストラといえば、やっぱりベルリンフィルです!
世界の超一流の演奏家が集結しているオーケストラなのですが、年末12月のスケジュールを見てみますと・・・
はい・・・
一度も第九はありませんでした。
実は2017年1月8日にチェコフィルがこのフィルハーモニーホールで第九を演奏するようです。
なので、年末ではないですね。
また普通の演奏曲目として季節は関係のないプログラムになっています。
もう一つ、ドイツのオーケストラのミュンヘンフィルを見てみましょう!
こちらは・・・
ミュンヘンフィルホームページより出典
2016年の12月29日と31日に第九を演奏しますね!
なので年末に第九を演奏するオーケストラもあるが、やっぱり日本ほどは第九は演奏されないようですね。
第九の他に何を年末に演奏するのか?
日本でも実は第九の他に年末によく演奏される曲があります。
それが、
ヘンデル作曲の
”メサイア”
になります。
これも、オーケストラと合唱の曲になります。
あの有名な
“ハレルヤコーラス”
がある曲ですね!
youtubeより出典
アメリカの超一流オーケストラのニューヨークフィルでもこんなスケジュールでメサイアを演奏しております。
ニューヨークフィルホームページより出典
こうしてみると、日本のオーケストラが第九を頻繁に演奏するように、ニューヨークフィルでは、メサイアを年末には演奏するようですね。
第九とは?
そんな日本で年末に演奏されるベートーベンの第九っていったいどんな曲なのでしょうか?
ちょっと簡単に説明します。
ベートーベンって耳が聞こえなくなった作曲家とか、交響曲第五番”運命”を作曲した人、とかで小学校の音楽室の肖像画の代表みたいな作曲家ですよね。
実はベートーベンってこの交響曲第九番で凄い事を行った人なのです。
というのも、このベートーベンが生きていた時代ってドイツでは王様や教会の政治権力から解放しようとする革命運動がバシバシ起きていました。その革命の英雄が”ナポレオン”です。
それで、実は演奏家や作曲家たちも、王様や教会の元に就職して食べていた・・・という時代だったんですね。
当然、王様や大司教が納得する曲を書いてお給料を頂いていたので、ルールに則った音楽作りが正しいとされていたんです。
ところが!
革命運動が起きて音楽家達は自分自身が作りたい曲、表現の自由を許されるようになったんです。
ベートーベンもそんな時代の過渡期に生きた作曲家だったんです。
なので、音楽史的には古典派作曲家からロマン派作曲家としての作風が変わるポイントとして
・作曲形式を壊していく
・オーケストラ編成の拡大
・複雑な和音への移行から無調音楽への一歩
こんな事が起こりつつある古典派最後の作曲家がベートーベンで、この交響曲第九番では、
・保守的な作曲形式を十分に生かしながらもその保守的な作風を否定
・オーケストラ編成の拡大
・声楽ソリスト4名+合唱団+オーケストラという巨大な交響曲
こんな事を行いました。
きっと当時はみんな驚いたことだと思いますよ!
それから、やっぱりシラーの詩を使って、全人類の平和を願った大合唱をこの曲の締めくくりとして、表現したことですね!
そんなセンセーショナルな作曲を行ったベートーベンにその後のロマン派の作曲家たちはとても影響されて、その後のクラシック音楽は目覚ましい発展をすることになります。
・・・とても簡単に説明しましたが、それが、
”第九”
なんですね。
欧州の歌としての第九
ところで、欧州連合のシンボルとしての旗もありますが、
曲は第九の”歓喜の歌”部分が使われております。
当然、様々な言語がある欧州なので、歌詞はなく編曲が加えられております。
この音声は吹奏楽編成になっております。
【欧州の歌音源】
EUホームページより出典
まとめ
やっぱり第九は日本では年末に頻繁に演奏されております。
逆に世界では日本ほど年末にこだわっての演奏ではありません。
でも、この日本で第九がここまで年末の人気な曲になるということは、やっぱり第九には魅力があるということですよね!
オーケストラで演奏していても、町のアマチュア合唱団のおじさんが一生懸命に歓喜の歌を演奏して、合唱団もオーケストラも来場者もみんなで感極まった頂点を体験できる第九って素晴らしいです。
物凄くパワフルに歌い上げ、その気持ちが全人類に届くようなパワーが底から湧いてくるような名曲を作ったベートーベンって凄い人ですよね!
僕も第九は大好きです。
それでは、
よいお年を!!
ありがとうございました!!
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