岩手県大槌町。深い悲しみの底から・・・前を向く力!!

東日本大震災の被災地、岩手県大槌町で高校生たちから聞いた貴重な当時のことを何回かに分けてお伝えしてきました。

今回で大槌町での事については最後の記事になります。
東日本大震災を忘れない。岩手県大槌町での思い出。
 
東日本大震災で被災した当時の記憶。現地高校生からの話
 
岩手県大槌町の被災者から。今やっと話せる当時の出来事。
 


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目次

友達から聞いた話

中学校1年生の時の担任の先生の友達がね、
津波で逃げ遅れて流されてしまったけど何とか浮いている瓦礫の上にのぼったんだって、
その時に他の男のひとが、近くで波から手を出してたんだって
それで、引っ張って助けようとしたらその人の両手がちぎれてしまったらしくて、
そのあとその男性は、「またな!ありがとう」
って言ってどこか遠くに行ってしまったんだって。

大槌町城山公園にて

城山公園からの町の様子

IMG_2146

城山にて

 

ねえ、○○ちゃん、なんかお話できること他にもあるよね。

 

・・・

・・・

 

そうだね。

 

実は私もあの日、家族みんなで車に乗って避難したんだよね。

 

津波がすぐそこまでやってきて、車で交差点を曲がるところまでね。

 

ほんとすぐそこまで

 

それでそこに一人お婆さんが立っていて・・・

 

“助けなきゃ”って思ったんだけど

 

もう車は家族みんなで一杯で乗れなかったし・・・

 

それでそのお婆さんの後ろ姿をずっと見ていて

 

・・・

 

きっと亡くなったと思う。

 

今でもその姿を忘れられなくて、助けてあげられなくて後悔してて・・・

深い悲しみの底から・・・前を向く力!!

今回で高校生達に聞いた話はおしまいです。

 

きっと、一人一人にいろんな体験があったのだと思いました。

思い出したくもない記憶。

思い出さないようにしてきた事。

 

きっと当時中学生だった彼らには物事の整理もできないくらいの出来事が突然起こってしまい、

身体も頭もきっとパンクしてしまうと思いました。

 

そんな、彼らがやっと話せるようになった経緯は私たちには想像できないことだと感じました。

 

若くて元気で真っ白な世代である高校生ですが、彼らは普通の高校生以上の深い悲しみを心に持っていました。

やっと前に向き始めることが出来たような子もいました。

 

僕はこの交流会の初めの挨拶で、勇気を持って

 

”当時の話をこの東京の高校生達にしてあげて欲しい”

 

と言いました。

 

現地に来るまで、何度も何度も彼らの事を想像して、

なるべくその立場に立って考えました。

 

考えて解ったことは、

 

”実際に見て、聞くことだ”

と思いました。

 

同じ国民として、何か出来ることはないか?

 

出来ることのまず始めは、その現状を見て感じて、彼らの心を感じることだと考えました。

 

しっかりと受け止め、自分の事と感じるほど理解できた時に、

 

”何をするべきかが本当に解るのではないか?”

 

と考えました。

 

「当時の話を同じ東京の高校生達にしてあげて欲しい」

 

と言ったときの彼らの顔が一瞬変わりました。

 

 

明るく元気な彼らが一瞬にして、深く考えこんでいる顔になりました。

 

その顔を見て、感じたことが、街並みを見る事以上に本当の現場でした。

 

 

4年たった現在でも、心の中には大きな悲しみがあります。

 

だからこそ、

“元気に力強く生きなければならない、前に進まなければならない”

 

だからこそ
“伝えなければならない”
“忘れてはいけない”

 

という彼らの力強さを感じました。

 

彼らと共に音楽を演奏をして、

本当に明るく、

 

いつも以上に明るく元気に演奏しようとした

岩手と東京の高校生達は

 

十分にお互いを理解し、

今、何をするべきなのかが解ったように感じました。

 

難しい、いろんなことよりも

 

もっと解りやすく根っこを大切に、

 

 

笑顔で、元気に、明るく、

今を精一杯楽しみ、互いに心を通わせる。

 

町の方々とも音楽を通して、心が通い、力を感じ、前に向かい、

笑顔が溢れだす。

 

人と人が大切に想いを通わせた時に、温かさが溢れてくる。

寂しさを知っているからこそ、温めることができる。

そんなことがわかった2泊3日でした。

 

絶対に忘れてはいけない。

 

きっと亡くなった方々は忘れないで欲しいから。

 

 

こうして記事に書き、彼らの事を少しでも知って頂きたいと思っています。

文字にして記録に残すことが、僕自身の為でもあるんです。

 

 

記憶は時間と共に消え去っていく。

でも、絶対に消してはいけないこともある。

 

そう感じて頂ければ幸いです。

 

 

読んで頂きありがとうございました。


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